
天才昆虫採集家・醍醐剣策が巨大な繭の謎を追ってニューギニア奥地へ向かう、SFミステリー仕立ての短編です。
『週間少年マガジン』創刊20周年の記念に描かれた作品で連作を予定していたが、『海底超特急マリン・エクスプレス』『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』で忙しくなったため2作で終わった。
発表
発表日:1979年4月8日
出版:週刊少年マガジン 講談社
あらすじ
物語は、醍醐剣策が石油会社の会長から「行方不明になった息子を探してほしい」と依頼されるところから始まります。息子が残したのは、直径1.2メートルにもなる巨大な蛾の繭の切片。昆虫の専門家である醍醐は、その異常なサイズに興味を持ち、ニューギニアの奥地へと向かいます。
現地で彼は、原住民に殺されかけていた息子を救出し、繭の発生源を探る旅に同行します。やがて二人は、人間が入れるほどの巨大な繭が大量に漂着した島にたどり着きます。その繭の中には、ミイラ化した人間の死体が多数詰まっており、ただ一つだけ生身の女性が眠っていました。
彼女は一時的に目を覚ましますが、翌日には灰となって消滅してしまいます。冷凍睡眠には成功していたものの、肉体はすでに朽ちていたのです。醍醐は、昆虫の進化と人間の境界が曖昧になるような異常事態に直面し、科学と生命の神秘に触れることになります。
収録されてる出版物
| タイトル | 出版社 | 発行年 | ページ数 | 判型 |
|---|---|---|---|---|
| 手塚治虫文庫全集 メタモルフォーゼ | 講談社 | 2011年7月12日 | 384ページ | 文庫 |