
メキシコ育ちの日系少年と不思議なサボテンとの交流を描いた、種族と言語を超えた心の物語です。
『手塚治虫漫画全集』完結により講談社漫画賞特別賞を受賞した記念に描かれた作品。
5話分のアイデアを書いたが、50ページ1作のみとなった。
発表
発表日:1985年7月31日
出版:週刊少年マガジン 講談社
あらすじ
物語の主人公は、メキシコで育った日系二世の少年・岡崎タブロ。ある日、馬で荒野を散歩していた彼は崖から落ちて足を折り、誰もいない砂漠で孤立してしまいます。絶望するタブロに語りかけてきたのは、なんとサボテンでした。石の下敷きになっていたそのサボテンは、テレパシーでタブロに助けを求め、彼を励まし、命を救います。
タブロはそのサボテンを「ノーチェス(夜)」と名付け、自宅に持ち帰って植木鉢に植えます。しかし、ノーチェスはそれ以来一言も話さず、沈黙のまま時が過ぎます。やがて父の転勤で日本へ移住することになり、タブロはノーチェスをメキシコに残して旅立ちます。
日本での生活はタブロにとって過酷でした。言葉の壁や文化の違いから、彼はクラスメートにいじめられ、孤独と疎外感に苦しみます。そんな中、ノーチェスはタブロに会うため、何万キロもの距離を越えて日本を目指す旅に出ます。
収録されてる出版物
| タイトル | 出版社 | 発行年 | ページ数 | 判型 |
|---|---|---|---|---|
| 手塚治虫文庫全集 メタモルフォーゼ | 講談社 | 2011年7月12日 | 384ページ | 文庫 |