
百万年前の超文明が生み出した巨大ロボット・ゼオと、現代人とのすれ違いを描いたSF短編です。ゼオの行動の真意に気づかぬまま、人間たちはその力を恐れ、破壊へと突き進んでしまいます。
発表
発表日:1964年3月1日
出版:週刊少年サンデー 小学館
あらすじ
登山中の村上兄弟は、霧に包まれた山中の洞穴で氷漬けになった巨大ロボットを発見する。東京に運ばれたそのロボットは突如目覚め、「ゼオ!」と叫びながら街を破壊し始める。自衛隊の攻撃にもびくともしないゼオは、やがて郊外へ誘導され、戦闘機による攻撃を受けることになる。
しかし、ゼオが破壊した高速道路や鉄道は、実は手抜き工事によって事故寸前だったことが判明。ゼオは悪意や危険を見抜く力を持ち、それを未然に防ごうとしていたのだ。だが、汚職を隠したい大臣はゼオの行動を理解せず、攻撃命令を止めなかった。
ゼオは反撃することなく破壊されるが、その跡地には冬でも枯れない花畑が残される。ゼオの“偉大さ”は、少年の心に深く刻まれ、物語は静かに幕を閉じる。
収録されてる出版物
| タイトル | 出版社 | 発行年 | ページ数 | 判型 |
|---|---|---|---|---|
| 手塚治虫文庫全集 SFミックス | 講談社 | 2011年3月11日 | 352ページ | 文庫 |