悪魔の音


引用:手塚治虫文庫全集 SFミックス 講談社[悪魔の音]

人間の良心を揺さぶる音に追い詰められた脱獄犯の末路を描く物語。

発表

発表日:1963年4月28日 – 1963年5月5日
出版:週刊少年サンデー 小学館

あらすじ

殺人と強盗で捕まっていたジャックの健は、自分を逮捕した谷川警部と犯罪学者の木戸博士に強い恨みを抱いていた。刑務所では毎日「ブオー」という嫌な音を聞かされていたが、それは木戸博士が研究した、人の心のゆがみを良心の呵責によって苦しませる特殊な音だった。
ある日、健の独房に一羽の小鳥が迷い込み、彼になついた。健はこの小鳥を利用して脱獄を計画する。仲間に小鳥を託し、その脚に脱獄に必要な道具を結びつけて戻させるという方法で、健はついに脱獄に成功した。
自由を得た健は整形外科で顔を谷川警部そっくりに変え、本物の警部を殺害してその身分を奪う。そして木戸博士への復讐のため、博士の娘を誘拐する。博士を呼び寄せることには成功したが、健の周囲に小鳥が飛んでいたことから、その正体はすでに疑われていた。
博士は健の嫌う「悪魔の音」を発する装置を用意していた。音に耐えられなくなった健は頭を抱え、足を踏み外して高所から転落し、命を落とす。凶悪犯であっても自分になついた小鳥を殺すことはできなかった。それが彼の命取りとなった。

収録されてる出版物

タイトル出版社発行年ページ数判型
手塚治虫文庫全集 SFミックス講談社2011年3月11日352ページ文庫

登場キャラクター