手塚キャラオールスター百人一首の紹介です。
こちらは『週刊 鉄腕アトムを作ろう!』の付録として付いてきた特別セットになります。
↓これの付録です(第58号・第63号)




全100首の歌と作者、そして手塚治虫キャラクターのイラストを写真付きで一覧にまとめました。
どんな札があるのか、ぜひ見ていってください。
「なぜこのキャラクターが選ばれたんだろう?」という視点で見ても面白いんです。
企画名が「鉄腕アトムを作ろう」というだけあって、鉄腕アトムのキャラクターが多めなのも特徴です。
一覧
詳細
1.秋の田のかりほの庵の苫をあらみ(天智天皇)
- 秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ
- 天智天皇
- アトム『鉄腕アトム』
〜訳文〜
秋の田んぼの仮小屋は、屋根の苫(とま/草で編んだ屋根)が粗くて雨が漏れる。
そのせいで、夜通し番をしている私の袖は濡れてしまう。

2.春過ぎて夏来にけらし白妙の(持統天皇)
- 春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣干すてふ 天の香具山
- 持統天皇
- サファイア『リボンの騎士』
〜訳文〜
春が過ぎて、もう夏が来たらしい。
天の香具山に、真っ白な衣を干しているのが見える。

3.あしびきの山鳥の尾のしだり尾の(柿本人麻呂)
- あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む
- 柿本人麻呂
- トッペイ『バンパイヤ』
〜訳文〜
山鳥の長く垂れた尾のように、長い夜を、ひとりで寝なければならないのが寂しい。

4.田子の浦にうち出でて見れば白妙の(山部赤人)
- 田子の浦に うち出でて見れば 白妙の 富士の高嶺に 雪は降りつつ
- 山部赤人
- レオ『ジャングル大帝』
〜訳文〜
田子の浦に出て眺めてみると、富士の高嶺に真っ白な雪が、今も降り続いている。

5.奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の(猿丸大夫)
- 奥山に 紅葉踏み分け 鳴く鹿の 声聞く時ぞ 秋は悲しき
- 猿丸大夫
- サンダーマスク『サンダーマスク』
〜訳文〜
人里離れた山奥で、紅葉を踏み分けて鳴く鹿の声を聞くときこそ、
秋のもの悲しさが身にしみる。

6.鵲の渡せる橋に置く霜の(中納言家持)
- 鵲の 渡せる橋に 置く霜の 白きを見れば 夜ぞ更けにける
- 中納言(大伴)家持
- ヤケッパチ『やけっぱちのマリア』
〜訳文〜
かささぎが渡したという天の橋に霜が降りて、白い衣を広げたように見えるのを見ると、夜もすっかり更けてしまったのだと思う。

7.天の原ふりさけ見れば春日なる(阿倍仲麻呂)
- 天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に 出でし月かも
- 阿倍仲麻呂
- リッキー『0マン』
〜訳文〜
大空を仰いで遠くを眺めると、春日の三笠山に出たのと同じ月が、ここにも出ているのだなあ。

8.わが庵は都の辰巳しかぞ住む(喜撰法師)
- わが庵は 都の辰巳 しかぞ住む 世をうぢ山と 人はいふなり
- 喜撰法師
- ブッダ『ブッダ』
〜訳文〜
私の庵は都の東南にあって、このように静かに暮らしているのに、人は私のことを“憂い山”だと言うのだ。

9.花の色は移りにけりないたづらに(小野小町)
- 花の色は 移りにけりな いたづらに わが身世にふる ながめせしまに
- 小野小町
- 天外奇子『奇子』
〜訳文〜
花の色がむなしく褪せてしまったように、私の身も、世の中を物思いにふけっているうちにいつの間にか衰えてしまった。

10.これやこの行くも帰るも別れては(蝉丸)
- これやこの 行くも帰るも 別れては 知るも知らぬも 逢坂の関
- 蝉丸
- 百鬼丸『どろろ』
〜訳文〜
ここは、行く人も帰る人も、知っている人も知らない人も、みな別れを経験する逢坂の関なのだ。

11.わたの原八十島かけて漕ぎ出でぬと(参議篁)
- わたの原 八十島かけて 漕ぎ出でぬと 人には告げよ 海人の釣船
- 参議篁
- トリトン『海のトリトン』
〜訳文〜
大海原を、たくさんの島々を越えて漕ぎ出して行ったと、人々に伝えておくれ、海人の釣り舟よ。

12.天つ風雲の通ひ路吹きとぢよ(僧正遍昭)
- 天つ風 雲の通ひ路 吹きとぢよ 乙女の姿 しばしとどめむ
- 僧正遍昭
- ルビ『冒険ルビ』
〜訳文〜
空を吹く風よ、雲の通り道を吹き閉ざしておくれ。
天女のような乙女たちの姿を、もう少しの間ここに留めておきたいのだ。

13.筑波嶺の峰より落つるみなの川(陽成院)
- 筑波嶺の 峰より落つる みなの川 恋ぞつもりて 淵となりぬる
- 陽成院
- サブタン『ふしぎな少年』
〜訳文〜
筑波山の峰から落ちて、やがて深い淵になるみなの川のように、私の恋心も積もり積もって、深い淵のようになってしまった。

14.陸奥のしのぶもぢずりたれゆゑに(河原左大臣)
- 陸奥の しのぶもぢずり たれゆゑに 乱れそめにし われならなくに
- 河原左大臣
- ビッグX『ビッグX』
〜訳文〜
東北の“しのぶもじずり(信夫地方の布の乱れ模様)”のように、いったい誰のせいで、私の心は乱れ始めてしまったのだろう。
自分のせいではなく、あなたのせいで乱れてしまったのだ。

15.君がため春の野に出でて若菜摘む(光孝天皇)
- 君がため 春の野に出でて 若菜摘む わが衣手に 雪は降りつつ
- 光孝天皇
- 写楽保介『三つ目がとおる』
〜訳文〜
あなたのために春の野に出て若菜を摘んでいると、私の袖に雪がしきりに降りかかってくる。

16.立ち別れいなばの山の峰に生ふる(中納言行平)
- 立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む
- 中納言行平
- マグマ『マグマ大使』
〜訳文〜
あなたと別れて因幡の国へ向かうけれど、因幡の山の峰に生えている松のように、私を待っていると聞いたなら、すぐに帰って来よう。

17.ちはやふる神代も聞かず竜田川(在原業平朝臣)
- ちはやふる 神代も聞かず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは
- 在原業平朝臣
- ブラック・ジャック『ブラック・ジャック』
〜訳文〜
神々の時代でさえ聞いたことがない。
竜田川の水が、紅葉で濃い紅色に染まり、水を絞ったような模様になっているとは。

18.住の江の岸に寄る波よるさへや(藤原敏行朝臣)
- 住の江の 岸に寄る波 よるさへや 夢の通ひ路 人目よくらむ
- 藤原敏行朝臣
- 星真一『W3』
〜訳文〜
住の江の岸に寄せる波が、夜までも寄ってくるように、夢の中であなたのもとへ通う道さえ、人目を避けて閉ざされてしまっているのだろうか。

19.難波潟短き蘆のふしの間も(伊勢)
- 難波潟 短き蘆の ふしの間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや
- 伊勢
- コマコ『ひょうたん駒子』
〜訳文〜
難波の入り江に生える短い葦の節と節の、ほんのわずかな間ほどの短い時間さえ、あなたに会わずにこの世を過ごせと言うのでしょうか。

20.わびぬれば今はたおなじ難波なる(元良親王)
- わびぬれば 今はたおなじ 難波なる みをつくしても 逢はむとぞ思ふ
- 元良親王
- ロック『バンパイヤ』ほか
〜訳文〜
つらくて心細くなってしまった今となっては、もうどうなっても同じだ。
難波の「身を尽くし(澪標)」のように、身を滅ぼすことになっても、あなたに会おうと思う。

21.今来むといひしばかりに長月の(素性法師)
- 今来むと いひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな
- 素性法師
- テッチン『グランドール』
〜訳文〜
「今行きます」とあなたが言ったのを頼みにして、長月の有明の月が出るほど遅くなるまで、待ち続けてしまった。

22.吹くからに秋の草木のしをるれば(文屋康秀)
- 吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を あらしといふらむ
- 文屋康秀
- Z『旋風Z』
〜訳文〜
風が吹くとすぐに秋の草木がしおれてしまうので、なるほど、山の風を嵐と呼ぶのだなと思う。

23.月見ればちぢにものこそ悲しけれ(大江千里)
- 月見れば ちぢにものこそ 悲しけれ わが身ひとつの 秋にはあらねど
- 大江千里
- キャプテン・ケン『キャプテン・Ken』
〜訳文〜
月を眺めていると、さまざまな思いが次々と湧いてきて悲しくなる。
秋は私ひとりのものではないのに。

24.このたびは幣も取りあへず手向山(菅家)
- このたびは 幣も取りあへず 手向山 紅葉の錦 神のまにまに
- 菅家(菅原道真)
- ケン太『スリル博士』
〜訳文〜
今回は急な旅で、神への捧げ物を用意する暇もなかった。
だから手向山の紅葉の錦を、神のお心のままに捧げよう。

25.名にし負はば逢坂山のさねかづら(三条右大臣)
- 名にし負はば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな
- 三条右大臣(藤原定方)
- ヒゲオヤジ『鉄腕アトム』ほか
〜訳文〜
「逢う」という名を持つ逢坂山のさねかづらのように、人に知られないで、あなたのもとへ通う手立てがあればよいのに。

26.小倉山峰のもみぢ葉心あらば(貞信公)
- 小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば いまひとたびの みゆき待たなむ
- 貞信公(藤原忠平)
- 光『光』
〜訳文〜
小倉山の峰の紅葉よ、もし心があるなら、もう一度の行幸を、散らずに待っていてほしい。

27.みかの原わきて流るるいづみ川(中納言兼輔)
- みかの原 わきて流るる いづみ川 いつ見きとてか 恋しかるらむ
- 中納言(藤原)兼輔
- ガロン『魔神ガロン』
〜訳文〜
みかの原を分けて流れる泉川を、いつ見たというわけでもないのに、どうしてこんなに恋しく思われるのだろう。

28.山里は冬ぞ寂しさまさりける(源宗于朝臣)
- 山里は 冬ぞ寂しさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば
- 源宗于朝臣
- 大島七郎(ナンバー7)『ナンバー7』
〜訳文〜
山里の冬は、人の訪れもなく、草も枯れてしまうと思うと、いっそう寂しさが増して感じられる。

29.心あてに折らばや折らむ初霜の(凡河内躬恒)
- 心あてに 折らばや折らむ 初霜の 置きまどはせる 白菊の花
- 凡河内躬恒
- 伴大輔『白いパイロット』
〜訳文〜
見当をつけて折るとしたら折ってみようか。
初霜が降りて、どこにあるのか分からなくなっている白菊の花を。

30.有明のつれなく見えし別れより(壬生忠岑)
- 有明の つれなく見えし 別れより 暁ばかり 憂きものはなし
- 壬生忠岑
- ロップくん『ロップくん』
〜訳文〜
有明の月が冷たく見えたあの別れ以来、暁ほどつらく感じるものはない。

31.朝ぼらけ有明の月と見るまでに(坂上是則)
- 朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪
- 坂上是則
- 矢野タダシ『フライングベン』
〜訳文〜
夜明けの薄明かりの中、有明の月が残っているほどの時刻に、吉野の里には白雪が降っている。

32.山川に風のかたけるしがらみは(春道列樹)
- 山川に 風のかたける しがらみは 流れもあへぬ 紅葉なりけり
- 春道列樹
- イザ・ナギ『火の鳥 黎明編』
〜訳文〜
山の川に風が作ったかのような柵のように、流れきれずにとどまっているのは、紅葉であった。

33.ひさかたの光のどけき春の日に(紀友則)
- ひさかたの 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ
- 紀友則
- カオス『未来人カオス』
〜訳文〜
空の光がのどかに差す春の日に、どうして桜の花は落ち着きなく散ってしまうのだろう。

34.誰をかも知る人にせむ高砂の(藤原興風)
- 誰をかも 知る人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに
- 藤原興風
- 中条タク『ノーマン』
〜訳文〜
誰を親しい人とすればよいのだろう。高砂の松でさえ、昔からの友ではないのだから。

35.人はいさ心も知らずふるさとは(紀貫之)
- 人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香に匂ひける
- 紀貫之
- ノーマン王子『ノーマン』
〜訳文〜
人の心は本当に分からないものだ。
しかし、昔なじみの家の梅の花は、昔と同じ香りで匂っている。

36.夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを(清原深養父)
- 夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ
- 清原深養父
- 片桐太郎『ブルンガ1世』
〜訳文〜
夏の夜は、まだ宵だと思ううちに夜が明けてしまう。
月は、どこの雲のあたりに宿っているのだろうか。

37.白露に風の吹きしく秋の野は(文屋朝康)
- 白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける
- 文屋朝康
- キキモラ『ダスト8』
〜訳文〜
白露に風が激しく吹きつける秋の野は、糸に通していない玉が散るように、露が散っている。

38.忘らるる身をば思はず誓ひてし(右近)
- 忘らるる 身をば思はず 誓ひてし 人の命の 惜しくもあるかな
- 右近
- 十村十枝子『人間昆虫記』
〜訳文〜
あなたに忘れられる私自身のことは気にしない。
ただ、忘れないと誓ったあなたの命が惜しく思われる。

39.浅茅生の小野の篠原忍ぶれど(参議等)
- 浅茅生の 小野の篠原 忍ぶれど あまりてなどか 人の恋しき
- 参議(源)等
- ヤンマ『ミクロイドS』
〜訳文〜
浅茅の生えた野原で、人目をしのんで思っているけれど、どうしてこんなにも人が恋しく思われるのだろう。

40.忍ぶれど色に出でにけりわが恋は(平兼盛)
- 忍ぶれど 色に出でにけり わが恋は ものや思ふと 人の問ふまで
- 平兼盛
- 鎌『ユフラテの樹』
〜訳文〜
隠していても、私の恋心は顔色に出てしまった。
人が「何か思っているのか」と尋ねるほどに。

41.恋すてふわが名はまだき立ちにけり(壬生忠見)
- 恋すてふ わが名はまだき 立ちにけり 人知れずこそ 思ひそめしか
- 壬生忠見
- 麻理夫『大地の顔役バギ』
〜訳文〜
恋をしているという私の噂は、もう立ってしまった。
人が見ていない山を越えて来たのに。

42.契りきなかたみに袖をしぼりつつ(清原元輔)
- 契りきな かたみに袖を しぼりつつ 末の松山 波越さじとは
- 清原元輔
- ドン・ドラキュラ伯爵『ドン・ドラキュラ』
〜訳文〜
互いに袖を絞るほど泣きながら、
末の松山を波が越えないように、決して変わらないと誓ったのだった。

43.逢ひ見てののちの心にくらぶれば(権中納言敦忠)
- 逢ひ見ての のちの心に くらぶれば 昔はものを 思はざりけり
- 権中納言(藤原)敦忠
- 山之辺マサト『火の鳥 未来編』
〜訳文〜
実際に逢ってからの恋の思いに比べれば、以前は物思いなどしていなかったのだと思う。

44.逢うことの絶えてしなくはなかなかに(中納言朝忠)
- 逢うことの 絶えてしなくは なかなかに 人をも身をも 恨みざらまし
- 中納言(藤原)朝忠
- 醍醐剣策『インセクタ―』
〜訳文〜
逢うことがまったくなくなってしまったなら、かえって相手のことも自分のことも恨まずに済むだろうに。

45.あはれともいふべき人は思ほえで(謙徳公)
- あはれとも いふべき人は 思ほえで 身のいたづらに なりぬべきかな
- 謙徳公(藤原伊尹)
- 駒助『スーパー太平記』
〜訳文〜
「あわれだ」と言ってくれるような人は思い当たらず、この身はむなしくなってしまいそうだ。

46.由良の門を渡る船人かぢを絶え(曾禰好忠)
- 由良の門を 渡る船人 かぢを絶え ゆくへも知らぬ 恋のみちかな
- 曾禰好忠
- ミッドナイト『ミッドナイト』
〜訳文〜
由良の海峡を渡る舟人が舵を失って行方を知らないように、恋の道も行き先が分からない。

47.八重むぐら茂れる宿の寂しきに(恵慶法師)
- 八重むぐら 茂れる宿の 寂しきに 人こそ見えね 秋は来にけり
- 恵慶法師
- ノタアリン『漫画大学』ほか
〜訳文〜
雑草が生い茂った荒れた宿の寂しさの中に、人は訪れないが、秋だけはやって来た。

48.風をいたみ岩打つ波のおのれのみ(源重之)
- 風をいたみ 岩打つ波の おのれのみ くだけてものを 思ふころかな
- 源重之
- 雨ふり小僧『雨ふり小僧』
〜訳文〜
風が強くて岩に打ちつける波が自分だけ砕け散るように、自分だけが物思いをしている時期だ。

49.御垣守衛士のたく火の夜は燃え(大中臣能宣朝臣)
- 御垣守 衛士のたく火の 夜は燃え 昼は消えつつ ものをこそ思へ
- 大中臣能宣朝臣
- ジェットキング『ジェットキング』
〜訳文〜
宮城を守る衛士の焚く火が夜は燃え、昼は消えるように、私は昼も夜も物思いをしている。

50.君がため惜しからざりし命さへ(藤原義孝)
- 君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな
- 藤原義孝
- ケン一『ケン1探偵長』ほか
〜訳文〜
あなたのためなら惜しくないと思っていた命でさえ、長くあってほしいと思うようになった。

51.かくとだにえやは伊吹のさしも草(藤原実方朝臣)
- かくとだに えやは伊吹の さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを
- 藤原実方朝臣
- 孫悟空『ぼくの孫悟空』
〜訳文〜
「こうだ」とさえ言えない。
伊吹山のさしも草(よもぎ)ではないが、あなたは知らないだろう、こんなにも燃える思いを。

52.明けぬれば暮るるものとは知りながら(藤原道信朝臣)
- 明けぬれば 暮るるものとは 知りながら なほ恨めしき 朝ぼらけかな
- 藤原道信朝臣
- 荒渋ドン太郎『地球対戦』
〜訳文〜
夜が明ければ、また夕方は来ると分かっているのに、それでも夜明けが恨めしく思われる。

53.嘆きつつひとり寝る夜の明くる間は(右大将道綱母)
- 嘆きつつ ひとり寝る夜の 明くる間は いかに久しき ものとかは知る
- 右大将道綱母
- ピノコ『ブラック・ジャック』
〜訳文〜
嘆きながらひとりで寝る夜が、明けるまでの時間はどれほど長いものか、身にしみて知る。

54.忘れじのゆく末まではかたければ(儀同三司母)
- 忘れじの ゆく末までは かたければ 今日を限りの 命ともがな
- 儀同三司母(高階貴子)
- チョコラ『ドン・ドラキュラ』
〜訳文〜
「忘れない」という言葉の行く末までは当てにならないので、今日限りの命であってほしい(今日の思いだけを信じたい)。

55.滝の音は絶えて久しくなりぬれど(大納言公任)
- 滝の音は 絶えて久しく なりぬれど 名こそ流れて なほ聞こえけれ
- 大納言(藤原)公任
- 猿飛佐助『おれは猿飛だ!』
〜訳文〜
滝の音は絶えて長く経ったが、その名声だけは流れ伝わって、今も聞こえてくる。

56.あらざらむこの世のほかの思ひ出に(和泉式部)
- あらざらむ この世のほかの 思ひ出に いまひとたびの 逢ふこともがな
- 和泉式部
- ミッチィ『メトロポリス』
〜訳文〜
もう長くは生きられないだろうから、この世のほかの思い出として、もう一度だけ逢いたい。

57.めぐり逢ひて見しやそれとも分かぬ間に(紫式部)
- めぐり逢ひて 見しやそれとも 分かぬ間に 雲隠れにし 夜半の月かな
- 紫式部
- ボッコ『W3』
〜訳文〜
めぐり逢ったが、それがあの人かどうか分からないうちに、雲に隠れてしまった夜半の月のように、すぐに別れてしまった。

58.有馬山猪名の笹原風吹けば(大弐三位)
- 有馬山 猪名の笹原 風吹けば いでそよ人を 忘れやはする
- 大弐三位
- チャオ『ユニコ』
〜訳文〜
有馬山の稲の笹原に風が吹けばそよそよと音がするように、どうして人を忘れられようか、忘れはしない。

59.やすらはで寝なましものをさ夜更けて(赤染衛門)
- やすらはで 寝なましものを さ夜更けて かたぶくまでの 月を見しかな
- 赤染衛門
- エミヤ『プライム・ローズ』
〜訳文〜
ためらわずに寝てしまえばよかったのに、夜が更けて、月が傾くまで見てしまった。

60.大江山いく野の道を遠ければ(小式部内侍)
- 大江山 いく野の道を 遠ければ まだふみも見ず 天の橋立
- 小式部内侍
- メルモ『ふしぎなメルモ』
〜訳文〜
大江山から生野を通る道が遠いので、まだ丹後の天橋立の地を踏んだことも見たこともない。

61.いにしへの奈良の都の八重桜(伊勢大輔)
- いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に 匂ひぬるかな
- 伊勢大輔
- 小百合チエ『上を下へのジレッタ』
〜訳文〜
昔の奈良の都の八重桜が、今日は宮中(九重)で美しく咲いていることだ。

62.夜をこめて鳥のそら音ははかるとも(清少納言)
- 夜をこめて 鳥のそら音は はかるとも よに逢坂の 関は許さじ
- 清少納言
- 和登千代子『三つ目がとおる』
〜訳文〜
夜のうちに鶏の偽の鳴き声でだまそうとしても、逢坂の関は決して許すことはない。

63.今はただ思ひ絶えなむとばかりを(左京大夫道雅)
- 今はただ 思ひ絶えなむ とばかりを 人づてならで いふよしもがな
- 左京大夫(藤原)道雅
- マアチャン『マアチャンの日記帳』
〜訳文〜
今はもう思いを断とうとしている、とだけでも、人づてではなく直接伝える方法があればよいのに。

64.朝ぼらけ宇治の川霧たえだえに(権中納言定頼)
- 朝ぼらけ 宇治の川霧 たえだえに あらはれわたる 瀬々の網代木
- 権中納言(藤原)定頼
- オズマ『オズマ隊長』
〜訳文〜
夜明けの薄明かりの中、宇治川の霧が途切れ途切れになり、
瀬々の網代木が次々と姿を現していく。

65.恨みわびほさぬ袖だにあるものを(相模)
- 恨みわび ほさぬ袖だに あるものを 恋に朽ちなむ 名こそ惜しけれ
- 相模
- マリア『やけっぱちのマリア』
〜訳文〜
恨みつつも耐えかねて、乾くことのない袖さえあるのに、恋のために評判が悪くなる名が惜しい。

66.もろともにあはれと思へ山桜(前大僧正行尊)
- もろともに あはれと思へ 山桜 花よりほかに 知る人もなし
- 前大僧正行尊
- 小山内桐人『きりひと賛歌』
〜訳文〜
山桜よ、共にあわれと思ってくれ。
花のほかには、私の心を知る者はいない。

67.春の夜の夢ばかりなる手枕に(周防内侍)
- 春の夜の 夢ばかりなる 手枕に かひなく立たむ 名こそをしけれ
- 周防内侍
- ウラン『鉄腕アトム』
〜訳文〜
春の夜の夢のような一時の手枕のために、
むだに立ってしまう評判の名が惜しい。

68.心にもあらで憂き世にながらへば(三条院)
- 心にも あらで憂き世に ながらへば 恋しかるべき 夜半の月かな
- 三条院
- 手塚治虫『紙の砦』ほか
〜訳文〜
本心ではなくつらい世を生きながらえるなら、恋しく思うことになるだろう、夜半の月は。

69.嵐吹く三室の山のもみぢ葉は(能因法師)
- 嵐吹く 三室の山の もみぢ葉は 竜田の川の 錦なりけり
- 能因法師
- ラスコルニコフ『罪と罰』
〜訳文〜
嵐が吹く三室山の紅葉は、竜田川の錦となって流れている。

70.寂しさに宿を立ち出でてながむれば(良暹法師)
- 寂しさに 宿を立ち出でて ながむれば いづくも同じ 秋の夕暮れ
- 良暹法師
- 深草丘十郎『新選組』
〜訳文〜
寂しさのあまり宿を出て眺めてみると、どこも同じように秋の夕暮れである。

71.夕されば門田の稲葉おとづれて(大納言経信)
- 夕されば 門田の稲葉 おとづれて 蘆のまろ屋に 秋風ぞ吹く
- 大納言(源)経信
- 七色いんこ『七色いんこ』
〜訳文〜
夕方になると、門田の稲葉が音を立て、芦の小屋に秋風が吹いてくる。

72.音に聞く高師の浜のあだ波は(祐子内親王家紀伊)
- 音に聞く 高師の浜の あだ波は かけじや袖の ぬれもこそすれ
- 祐子内親王家紀伊
- 八百比丘尼『火の鳥 異形編』
〜訳文〜
噂に聞く高師浜の荒い波のように、関わるまい、袖が濡れてしまうと困るから。

73.高砂の尾の上の桜咲きにけり(前権中納言匡房)
- 高砂の 尾の上の桜 咲きにけり 外山のかすみ 立たずもあらなむ
- 前権中納言(大江)匡房
- どろんこ先生『どろんこ先生』
〜訳文〜
高砂の尾根の桜が咲いた。
外山の霞よ、立ちこめないでほしい。

74.憂かりける人を初瀬の山おろしよ(源俊頼朝臣)
- 憂かりける 人を初瀬の 山おろしよ 激しかれとは 祈らぬものを
- 源俊頼朝臣
- 猿田彦『火の鳥 黎明編』
〜訳文〜
つれなくなった人を、初瀬の山おろしよ、激しく吹けと祈ったわけではないのに。

75.契りおきしさせもが露を命にて(藤原基俊)
- 契りおきし させもが露を 命にて あはれ今年の 秋もいぬめり
- 藤原基俊
- ヒョウタンツギ
〜訳文〜
約束してくれた「させも草の露」のような言葉を頼みにしていたが、その命も尽きて、今年の秋も過ぎてしまったようだ。

76.わたの原漕ぎ出でて見ればひさかたの(法性寺入道前関白太政大臣)
- わたの原 漕ぎ出でて見れば ひさかたの 雲居にまがふ 沖つ白波
- 法性寺入道前関白太政大臣(藤原忠通)
- スパイダー
〜訳文〜
海原へ漕ぎ出して見ると、空の雲と見まがうほどに、沖の白波が立っている。

77.瀬をはやみ岩にせかるる滝川の(崇徳院)
- 瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢はむとぞ思ふ
- 崇徳院
- お茶の水博士『鉄腕アトム』
〜訳文〜
流れが速くて岩にせき止められ、二つに分かれても、下流でまた一つになる滝川のように、別れても末には逢おうと思う。

78.淡路島通ふ千鳥の鳴く声に(源兼昌)
- 淡路島 通ふ千鳥の 鳴く声に いく夜寝覚めぬ 須磨の関守
- 源兼昌
- プルートウ『鉄腕アトム』
〜訳文〜
淡路島へ通う千鳥の鳴き声で、何夜も眠りがさめてしまう須磨の関守である

79.秋風にたなびく雲のたえ間より(左京大夫顕輔)
- 秋風に たなびく雲の たえ間より もれ出づる月の 影のさやけさ
- 左京大夫(藤原)顕輔
- 青騎士『鉄腕アトム』
〜訳文〜
秋風にたなびく雲の切れ間から、もれ出てくる月の光の清らかさよ。

80.ながからむ心も知らず黒髪の(待賢門院堀河)
- ながからむ 心も知らず 黒髪の 乱れてけさは ものをこそ思へ
- 待賢門院堀河
- アイエル『I.L.アイエル』
〜訳文〜
長く続くかどうかも分からない心なのに、黒髪が乱れるほど、今朝は物思いをしている。

81.ほととぎす鳴きつる方をながむれば(後徳大寺左大臣)
- ほととぎす 鳴きつる方を ながむれば ただ有明の 月ぞ残れる
- 後徳大寺左大臣(徳大寺実定)
- ワンサ『ワンサくん』
〜訳文〜
ほととぎすが鳴いた方角を眺めると、ただ有明の月だけが残っている。

82.思ひわびさても命はあるものを(道因法師)
- 思ひわび さても命は あるものを 憂きに堪へぬは 涙なりけり
- 道因法師
- シュマリ『シュマリ』
〜訳文〜
思い悩んで、命はまだあるものの、つらさに耐えられないのは涙であった。

83.世の中よ道こそなけれ思ひ入る(皇太后宮大夫俊成)
- 世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる
- 皇太后宮大夫(藤原)俊成
- 伊武谷万二郎『陽だまりの樹』
〜訳文〜
世の中には逃れる道がない。
思い詰めて山奥に入っても、鹿が鳴いている。

84.ながらへばまたこのごろやしのばれむ(藤原清輔朝臣)
- ながらへば またこのごろや しのばれむ 憂しと見し世ぞ 今は恋しき
- 藤原清輔朝臣
- 手塚良庵(良仙)『陽だまりの樹』
〜訳文〜
長く生きていれば、また今の時期も懐かしく思うのだろうか。
つらいと思っていた昔の時代が、今は恋しく思われる。

85.夜もすがらもの思ふころは明けやらで(俊恵法師)
- 夜もすがら もの思ふころは 明けやらで ねやのひまさへ つれなかりけり
- 俊恵法師
- アトム『アトムキャット』
〜訳文〜
一晩中物思いをしている時は、夜がなかなか明けず、寝室の隙間さえ冷たく感じられる。

86.嘆けとて月やはものを思はする(西行法師)
- 嘆けとて 月やはものを 思はする かこちがほなる わが涙かな
- 西行法師
- ルードウィヒ・ヴァン・ベートーベン『ルードウィヒ・B』
〜訳文〜
嘆けと言って月が物思いをさせるわけではないのに、まるで月のせいだと言いたげな涙であることよ。

87.村雨の露もまだ干ぬまきの葉に(寂連法師)
- 村雨の 露もまだ干ぬ まきの葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮れ
- 寂連法師
- 日本人『グリンゴ』
〜訳文〜
にわか雨の露がまだ乾かない槙の葉に、霧が立ちのぼる秋の夕暮れである。

88.難波江の蘆のかりねのひとよゆゑ(皇嘉門院別当)
- 難波江の 蘆のかりねの ひとよゆゑ 身を尽くしてや 恋ひわたるべき
- 皇嘉門院別当
- タマミ『火の鳥 未来編』
〜訳文〜
難波江の葦の仮寝の一夜のように、身を尽くして恋し続けることになるのだろうか。

89.玉の緒よ絶えなば絶えねながらへば(式子内親王)
- 玉の緒よ 絶えなば絶えね ながらへば 忍ぶることの 弱りもぞする
- 式子内親王
- ロゼリア『ユニコ』
〜訳文〜
命よ、絶えるなら絶えてしまえ。
生きながらえるなら、忍ぶ力が弱ってしまいそうだ。

90.見せばやな雄島の海人の袖だにも(殷富門院大輔)
- 見せばやな 雄島の海人の 袖だにも 濡れにぞ濡れし 色は変はらず
- 殷富門院大輔
- ルーナ『エンゼルの丘』
〜訳文〜
見せたいものだ。雄島の海人の袖でさえ、濡れてはいるが、その色は変わらない。

91.きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに(後京極摂政前太政大臣)
- きりぎりす 鳴くや霜夜の さむしろに 衣かたしき ひとりかも寝む
- 後京極摂政前太政大臣(藤原良経)
- 一ノ関教授『ネオ・ファウスト』
〜訳文〜
きりぎりすが鳴く霜の夜、寒いむしろに衣を片側だけ敷いて、ひとりで寝るのだろうか。

92.わが袖は潮干に見えぬ沖の石の(二条院讃岐)
- わが袖は 潮干に見えぬ 沖の石の 人こそ知らね かわく間もなし
- 二条院讃岐
- バルボラ『ばるぼら』
〜訳文〜
私の袖は、潮の引いたときにも見えない沖の石のように、人は知らないが、乾く間もない。

93.世の中は常にもがもな渚漕ぐ(鎌倉右大臣)
- 世の中は 常にもがもな 渚漕ぐ 海人の小舟の 綱手かなしも
- 鎌倉右大臣(源実朝)
- ダムダム『鉄腕アトム』
〜訳文〜
世の中がずっと変わらずあってほしい。
なぎさを漕ぐ漁師の小舟の綱手が、しみじみと愛おしい。

94.み吉野の山の秋風さよ更けて(参議雅経)
- み吉野の 山の秋風 さよ更けて ふるさと寒く 衣打つなり
- 参議雅経(飛鳥井雅経)
- サターン『鉄腕アトム』ほか
〜訳文〜
み吉野の山の秋風が、夜更けに吹いて、古里は寒く、衣を打つ音がしている。

95.おぼけなく憂き世の民におほふかな(前大僧正慈円)
- おぼけなく 憂き世の民に おほふかな わが立つ杣に すみ染の袖
- 前大僧正慈円
- デッドクロス殿下『鉄腕アトム』
〜訳文〜
身分不相応にも、浮世の人々を覆おうとしている。
自分が立った僧の道で、墨染めの袖を。

96.花さそふ嵐の庭の雪ならで(入道前太政大臣)
- 花さそふ 嵐の庭の 雪ならで ふりゆくものは わが身なりけり
- 入道前太政大臣(西園寺公経)
- 44号『鉄腕アトム』
〜訳文〜
花を誘う嵐の庭に降るのは雪ではなく、降り積もっていくものは、私の身であった。

97.来ぬ人を松帆の浦の夕なぎに(権中納言定家)
- 来ぬ人を 松帆の浦の 夕なぎに 焼くや藻塩の 身もこがれつつ
- 権中納言(藤原)定家
- ロボイド『鉄腕アトム』
〜訳文〜
来ない人を待ちながら、松帆の浦の夕なぎの中で、藻塩を焼くように、身も焦がれ続けている。

98.風そよぐ楢の小川の夕暮は(従二位家隆)
- 風そよぐ 楢の小川の 夕暮は 御禊ぞ夏の しるしなりける
- 従二位(藤原)家隆
- シャーロック・ホームスパン『鉄腕アトム』
〜訳文〜
風がそよぐ、ならの小川の夕暮れは、みそぎだけが夏の印であった。

99.人もをし人も恨めしあぢきなく(後鳥羽院)
- 人もをし 人も恨めし あぢきなく 世を思ふゆゑに もの思ふ身は
- 後鳥羽院
- キノオ『鉄腕アトム』
〜訳文〜
人が惜しくもあり、人が恨めしくもある。
つまらない世を思うために、物思いする身である。

100.百敷や古き軒端のしのぶにも(順徳院)
- 百敷や 古き軒端の しのぶにも なほあまりある 昔なりけり
- 順徳院
- 天下太平『人間ども集まれ!』
〜訳文〜
宮中の古い軒端の忍ぶ草を見るにつけても、なお余るほど、昔が偲ばれる。

まとめ
百人一首の世界に手塚キャラが入り込むことで、
古典がぐっと親しみやすく感じられるユニークなセットになっています。
あなたの推しキャラはどの札に登場していましたか。
ぜひ探してみてください。

