発表
発表日:1960年3月
出版:別冊週間漫画TIMES 芳文社
あらすじ
岩戸景気の象徴とも言われる高天原(たかまがはら)財団は、雲よりも高い超高層ビルを構える巨大複合企業。その頂点に立つのは、辣腕の女性社長・照子と、仕事のできない夫である専務だった。
専務の男は、雲の下――つまり人並みの暮らしに憧れを抱いていた。ある日、町で見かけた女性を食事に誘ったことが社長に知られ、呼び出しを受ける。怒り心頭の社長は氷水をボーイに頼み、夫とふたりで部屋に入るが、しばらくして専務だけが部屋から出てくる。中では鍵がかけられたまま、社長が死亡していた。
容疑をかけられ動揺する専務をよそに、財団の重役たちは彼の抹殺計画を進めていた。車に乗せられた男だったが、偶然持っていたウイスキーとアドルム(睡眠薬)を使って難を逃れる。
その後、重役たちは逮捕され、社長の死因も氷を喉に詰まらせた事故であったことが判明する。すべてから解放された男は、町で出会った女性とともに、神武景気も岩戸景気も超えた“前世紀景気”――文明に縛られない原始的で気ままな暮らしを楽しんでいた。
収録されてる出版物
| タイトル | 出版社 | 発行年 | ページ数 | 判型 |
|---|---|---|---|---|
| 手塚治虫文庫全集 ひょうたん駒子 | 講談社 | 2011年6月10日 | 512ページ | 文庫 |