週間探偵登場 幽霊作家


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発表

発表日:1960年5月
出版:別冊週間漫画TIMES 芳文社

あらすじ

三文文士の影武者太郎(かげむしゃたろう)は、人気作家・増込景四郎(ますこみけいしろう)の影として代筆を続ける生活に嫌気がさしていた。収入の差はおよそ10倍。ある日、バーで出会った新聞社の男に「増込が死なない限り浮かばれない」と唆され、殺害を決意する。
増込夫妻の温泉旅行の日、影は入念にアリバイを整えたうえで犯行を実行。しかしその後、死んだはずの増込景四郎の名義で週刊誌に新連載が始まり、そこには“影”の存在が描かれていた。
不気味さに耐えきれなくなった影は、死体を掘り起こそうとしたところで逮捕される。やがて、増込名義の作品は実は妻が書いていたことが判明。増込本人には文才がなく、妻が代筆していたのだった。
だが真相はさらに複雑だった。
増込の代筆は妻、妻の代筆は新聞社の男、そしてその男の代筆が影――。
影は、自分が書いた文章を回り回って“増込景四郎”の名で読まされていたのだった。

収録されてる出版物

タイトル出版社発行年ページ数判型
手塚治虫文庫全集 ひょうたん駒子講談社2011年6月10日512ページ文庫

登場キャラクター