
悪人一家の兄弟たちが父の遺言をめぐり、血筋を超えて正しい生き方を選ぶことを問われる西部劇短編。
発表
発表日:1961年1月1日
出版:別冊少年サンデー 正月号 小学館
あらすじ
先祖代々悪人ばかりを輩出してきたドースン一家。父が危篤との知らせを受け、長男ジャック、次男マック、三男チャック、そして養子の四男パックが十年ぶりに集まった。父は死の間際に「丘のどこかに埋めた10万ドルを、四人で力を合わせて掘り起こせ」と遺言を残し、息を引き取る。
兄弟たちは互いを疑いながらも、食糧不足や原住民の襲撃などの困難に直面しつつ、丘を掘り続けた。やがて掘り返した土地は畑となり、彼らは作物を育てることで生き延びる。悪人一家として育った兄弟たちの心にも、次第に変化が芽生えていった。
ついに宝らしき壺を掘り当てたとき、保安官隊が現れ、懸賞金付きのお尋ね者である兄たちは保安官隊に追い詰められ、銃撃戦の末にマックが命を落とす。
この時、養子のパックだけが悪人にならず保安官となっていた事実が明らかになる。
兄たちに自主を促すパックに、ジャックとチャックは立ちはだかるが、二人とも敗れる。
最後に兄は、掘り当てた壺の中を確かめたいと望む。そこにあったのは金ではなく、一枚の紙だった。そこには「悪人一家の血を引きながらも正しい生き方を選ぶことは可能であり、みんなが力を合わせてこの土地を開拓すれば10万ドルの値打ちがある」と書かれていた。
収録されてる出版物
| タイトル | 出版社 | 発行年 | ページ数 | 判型 |
|---|---|---|---|---|
| 手塚治虫文庫全集 SFミックス | 講談社 | 2011年3月11日 | 352ページ | 文庫 |