
芸術と狂気、欲望と破滅が交錯する、耽美的な大人向け漫画です。
『ばるぼら』の英語表記は、時期や媒体によって揺れがありました。
連載第1話の扉では「BARBOLA」と表記されていましたが、その後日本国内で刊行された単行本の多くでは「BARUBORA」が使われていました。これは、おそらく編集部が便宜的に付けたものであり、後年の表記との齟齬が生じる原因となりました。
1982年に刊行された講談社版『手塚治虫漫画全集』では「BARUBORA」が正式な英語表記とされ、以降は手塚プロダクションもこの表記を公式として採用していました。
しかし、海外で紹介される際には「Barbara」という表記が一般的に使われ、英語翻訳版もこの名称で出版されました。
その流れを受けて、手塚プロダクションも後年、公式の英語表記を「Barbara」へと改めています。
※話数の表記における数字と漢数字のゆれ、ならびに「第6話」が2回登場する点については誤記ではありません。
これは「ばるぼら 小学館」版の記載に準拠したものであり、意図的な構成に基づいています。
発表
発表日:1973年7月10日 – 1974年5月25日
出版:ビッグコミック 小学館
あらすじ
耽美派の天才小説家・美倉洋介は、異常性欲に悩みながらも文壇で名声を得ていた。ある日、新宿駅で出会ったアルコール依存症のフーテン娘・ばるぼらを自宅に住まわせることになる。
ばるぼらは、気まぐれで不潔で無責任な女だが、なぜか彼女がそばにいると美倉の創作意欲は高まり、傑作を次々と生み出していく。やがて美倉は、ばるぼらが詩の女神ミューズの末妹であり、現代の魔女である可能性に気づく。
ばるぼらの母・ムネーモシュネーとの出会いや、ばるぼら自身の謎めいた言動を通じて、美倉は芸術の深層へと引き込まれていく。
名声と創作の快楽に溺れながらも、ばるぼらが離れていくことで精神の均衡を失い、やがて破滅へと向かっていく。
副題
- 第一話「(無題)」
- 第二話「野獣クラブ」
- 第三話「黒い広場」
- 第四話「秘密」
- 第五話「砂丘の悪魔」
- 第6話「黒い破戒者」
- 第6話「黒い破戒者 後編」
- 第7話「狼は鎖もてつなげ」
- 第8話「栄光の苦渋」
- 第9話「とろいか」
- 第10話「群狼」
- 第11話「ブードゥー」
- 第12話「異端審問」
- 第13話「緋の棘」
- 第14話「ドルメン」
- 第15話「回帰」
- 第16話「断頭台への行進」
- 第17話「切絵図」
- 第18話「メビウスの輪」
- 第19話「オカルティスト」
- 第20話「沈める罠」
- 第21話「大団円」
※話数の表記における数字と漢数字のゆれ、ならびに「第6話」が2回登場する点については誤記ではありません。
これは「ばるぼら 小学館」版の記載に準拠したものであり、意図的な構成に基づいています。
収録されてる出版物
| タイトル | 出版社 | 発行年 | ページ数 | 判型 |
|---|---|---|---|---|
| ばるぼら | 小学館 | 2019年11月25日 | 520ページ | B5 |