よろめき動物記


引用:手塚治虫文庫全集 ひょうたん駒子 講談社[よろめき動物記]

短編ギャグ漫画シリーズで、動物を題材にした風刺とナンセンスが詰まった異色作です。

以下の話ではおなじみのキャラクターも登場します。
第18話「ミミズ」…手塚治虫
第25話「サンマ」…ヒゲオヤジ
第47話「ヒョウタンツギ」…ヒョウタンツギ

「よろめき動物記」はアトムブームの頃に、サンデー毎日の依頼で始めました。といっても、編集部にはこれもSF作家クラブの石川喬司氏がおられ、おそらく、石川氏のご推薦があって始められたものだと思います。
当時、二ページ見開きの週刊誌連載はほかになかったものです(つまり、これが最初)。アイディアにひどく苦労し(あまりSFじみないように)、何枚もかきつぶし、石川氏はお気の毒に、その都度うちで徹夜を何回もされました。
(手塚治虫漫画全集「鳥人大系」(2)より)

発表

発表日:1964年4月5日 – 1965年3月28日
出版:サンデー毎日 毎日新聞社

作品概要

本作は、毎回異なる動物や生き物をテーマに据えた一話完結型の短編シリーズ。馬を語れば円盤が出現し、なまずを語れば地球が爆発、蛾を語ればブサイクなタレントが美女に変身するなど、奇想天外な展開と手塚流のギャグが炸裂する。
登場する動物は、哺乳類・昆虫・魚類・妖怪・幽霊まで多岐にわたり、時には「女」や「エサ」など抽象的なテーマも扱われる。

物語は、動物の生態や習性をベースにしながら、人間社会の矛盾や滑稽さを風刺的に描くスタイルで展開される。わずか2ページの中に、科学的な知識とナンセンスな笑いが詰め込まれています。

各話

  • 第1話「モルモット」
  • 第2話「馬」
  • 第3話「なまず」
  • 第4話「犬」
  • 第5話「蛾」
  • 第6話「タコ」
  • 第7話「バク」
  • 第8話「エサ」
  • 第9話「スカンク」
  • 第10話「ノミ」
  • 第11話「ブタ」
  • 第12話「女」
  • 第13話「かぶと虫」
  • 第14話「カンガルー」
  • 第15話「幽霊」
  • 第16話「金魚」
  • 第17話「猫」
  • 第18話「ミミズ」
  • 第19話「猿」
  • 第20話「クラゲ」
  • 第21話「カッパ」
  • 第22話「カメ」
  • 第23話「タヌキ」
  • 第24話「昆虫」
  • 第25話「サンマ」
  • 第26話「渡り鳥」
  • 第27話「天狗」
  • 第28話「コオロギ」
  • 第29話「ライオン」
  • 第30話「ガマ」
  • 第31話「オシドリ」
  • 第32話「コブラ」
  • 第33話「オタマジャクシ」
  • 第34話「モグラ」
  • 第35話「ネズミ」
  • 第36話「カマキリ」
  • 第37話「福の神」
  • 第38話「獅子」
  • 第39話「雪女」
  • 第40話「夜の蝶」
  • 第41話「ナマケモノ」
  • 第42話「鬼」
  • 第43話「カバ」
  • 第44話「コウモリ」
  • 第45話「カニ」
  • 第46話「カタツムリ」
  • 第47話「ヒョウタンツギ」

収録されてる出版物

タイトル出版社発行年ページ数判型
手塚治虫文庫全集 ひょうたん駒子講談社2011年6月10日512ページ文庫

登場キャラクター