
鼻のスッポンを押しつけ合う権力者たちを通して、権威の空虚さを暴く痛烈な風刺劇。
発表
発表日:1970年2月1日
出版:漫画讀本 読売新聞社
あらすじ
ある男が、鼻をスッポンに噛まれたまま他人の家へ上がり込んできた。
彼は何かを売りに来たわけではない。
ただ 鼻に噛みついたスッポンを“誰かに押しつける”ため に訪れたのだった。
このスッポンは、煮ても焼いても離れない。
唯一の方法は── 他人にぶつけて移すこと。
男は会社で笑いものにされ、部長に呼び出される。
「スッポンを取らないなら、君の鼻を手術で取るしかない」と脅され、恐怖に駆られた男は 部長になすりつけてしまう。
部長は専務に相談するが、専務は
「君の首を切ってでも取らなければならない」
と言い放つ。
そこで部長は専務になすりつける。
その後も同じことが続き、専務 → 社長 → 通産省の秘書官へと、スッポンは“権力の階段”を転がるように移されていく。
そして最後に残ったのは、ただひとつの皮肉な真理。
人生にとって、権威なぞまったく無意味なんだ。
収録されてる出版物
【資料】
・手塚治虫文庫全集 フースケ 講談社