
母を探すために10円玉を追い続けるワンサが、仲間との絆と自分の弱さに向き合いながら、生き抜こうとあがき続ける物語。
発表
発表日:1971年10月 – 1972年2月
出版:てづかマガジンれお 虫プロ商事
あらすじ
ある町の大きな工場の片すみに、犬のワンサはひっそりと暮らしていた。工場の建て増しに伴い野良犬の処分を任されたおじいさんは、ワンサを見捨てられず会社を辞めて連れて帰ることにする。
しかしワンサは、寝言も寝相もひどく、10円玉を見つける以外には特別な能力もない犬だった。
明け方になると家を抜け出し、野良犬仲間と集まって盗みなどをしていたため、このままでは夜間収容所へ送られてしまうと犬たちは危機感を抱く。
「芸を身につけて立派な犬になろう」と決心した犬たちは、人間が喜ぶ“お金探し”を真似し始める。
ワンサが10円にこだわる理由は、母親から引き離されたとき、捨てられそうになったとき、いつも「10円」という言葉を聞いていたからだった。
10円の匂いを覚えれば、いつか母親に会えると信じて身につけた特技だった。
そんなある日、仲間の犬が「大量のお金がある場所を見つけた」とワンサのもとへやってくる。その場所は税務署。
犬たちは忍び込むが、全員捕まり収容所へ送られてしまう。収容所ではカンサツという大きな犬が仕切っており、檻に入れられた犬たちはいずれ処分されると知らされる。
犬たちは脱走を企て、トンネルを掘って逃げようとするが、カンサツに見つかってしまう。
カンサツは生き埋めになり、犬たちは逃げ出すことに成功するが、ワンサだけは仲間を見捨てられず戻ってしまう。
(未完)