おけさのひょう六


引用:手塚治虫文庫全集 メタモルフォーゼ 講談社

踊りを通して権力を風刺し続けた男と、その魂を受け継いだ猫の物語です。

発表

発表日:1974年4月21日
出版:週刊少年マガジン 講談社

あらすじ

物語の舞台は江戸時代の佐渡国。主人公のひょう六は、畑仕事そっちのけで踊りに夢中な小作人です。彼の踊りは評判を呼び、村人たちが見物に集まるほどになります。ひょう六の踊りには、殿様や代官の女癖や賄賂の受け取りなど、権力者の振る舞いを皮肉る要素が含まれており、それが庶民の笑いを誘っていました。
その評判が殿様の耳に入り、ひょう六は御前で踊ることになります。殿様は表向きは賞賛するものの、実際には彼の踊りを快く思っておらず、ひょう六に無理やり酒を飲ませようとします。未成年のひょう六は困りますが、飼い猫のチリが盃をひっくり返して窮地を救います。
その後、ひょう六は踊りを禁じられ、村人も見物を禁止されます。それでも彼は踊り続け、やがて越後から来た遊女おけさが弟子入りを申し出ます。彼女はひょう六の家に住み込み、三年間寝食を共にしながら踊りを学びます。
しかし、殿様の怒りは収まらず、ひょう六は目を潰され、おけさは売り飛ばされてしまいます。それでも彼は踊り続け、やがて命を落とします。残された猫のチリは、主人の魂を受け継ぐように踊り続け、最後にはその命を終えます。

収録されてる出版物

タイトル出版社発行年ページ数判型
手塚治虫文庫全集 メタモルフォーゼ講談社2011年7月12日384ページ文庫

登場キャラクター