

人間の尊厳と差別の痛みを描いた社会派ドラマです。
発表
発表日:1970年11月6日
出版:サンデー毎日 増刊 劇画&マンガ第4集 毎日新聞社
あらすじ
長浜軽金属の専務・森山尚平は、成功した実業家として周囲から尊敬されていた。しかし、彼には誰にも言えない過去があった。かつて“趙”という朝鮮名を持ち、戦時中に岐阜の鉱山で過酷な強制労働をさせられていた記憶である。部下に朝鮮料理を勧められただけで体調を崩すのは、その記憶がよみがえるからだった。
終戦後、森山は仲間と共にブローカーとして財を築き、その縁で密入国の青年・除英進を家に居候させることになる。やがて除は森山の娘・亜沙子と恋仲になり、彼の母親探しを手伝うようになる。しかし、捜索の途中で刑事に追われ、二人は逃走中に事故で命を落としてしまう。
森山は、娘が密入国者と関わっていた事実を隠すため、「亡くなったのは知人の娘だ」と偽り、自らの出自を守ろうとする。その態度に激しく反発した息子・久は、父への反抗心から朝鮮学校へ通い始めるが、偏見から暴行を受け重体となってしまう。
それでも森山は真実を隠し続けようとするが、学校への抗議の場で校長に出自を見抜かれ、脅される形になる。追い詰められた森山は、ついに心の底に押し込めていた思いを叫ぶ。
「だまれ!私はやましいことはない。わしは朝鮮人だ!それがなぜ悪い!」
収録されてる出版物
登場キャラクター
備考
- ハングルで書かれたセリフがいくつも登場するが正しく翻訳されている(日本語訳は書かれていない。)
- 谷岡ヤスジのムジ鳥が登場している
- 作品の舞台となった場所は岐阜県瑞浪市明世の「戸狩山」の地下壕
- 作品で出てくる大村収容所は実際に長崎県大村市にある入国者収容所で、在日朝鮮人で犯罪を犯した者を送還するための施設
【資料】
・ながい窖 法政大学出版局