
人間を助ける優しい雲・ピンクが、町の事件、王女の騒動、宝探しの島の危機を解決し、最後には雨雲のセピアまで改心させる、心温まるファンタジー冒険譚。
発表
発表日:1957年4月 – 1958年2月
出版:少女ブック 集英社
あらすじ
雲の国に住む ピンク は、町で ロック の車に乗せてもらい、彼の家の様子をうかがう。
ロックの姉は、ピアノコンクールで負けた 雪江さん を恨んでいた。
ロックは雪江さんを飛行場まで送るよう頼まれるが、
その車には細工がされており、道中で故障してしまう。
飛行場まで間に合わない──。
そこでピンクは雨雲を呼び寄せ、
飛行機の出発を遅らせることに成功。
ロックたちは無事に間に合った。
さらにピンクは雪江さんの姿に化けてロックの姉の前に現れ、
彼女を反省させる。
ピンク は、人助けが大好きな優しい雲。
しかし雨雲の一族 ブラウン家 からは「目障りな存在」と嫌われていた。
ブラウン家の娘 セピア はいたずら好きで、ピンクが助けたことをきっかけに
「下界へ降りるな」と忠告するようになる。
それでもピンクは人間の世界が好きで、飛行機の影に隠れてこっそり下界へ降りてしまう。
雨雲の中でブラウンから逃げる途中、ピンクはある屋敷に逃げ込む。
そこでは 王女様 が外に出られず寂しい思いをしていた。
ピンクは王女様を外へ連れ出し、遊園地へ。
しかし大臣たちが王女を探しに来て騒ぎになり、
雨雲の中でブラウンに追われていたピンクと王女ははぐれてしまう。
脚をくじいた王女は 画家マイルス に助けられ、次第に親しくなる。
マイルスは旧友からギャングに誘われるが断っていた。
しかし悪党 ブーン の策略で犯罪に巻き込まれてしまう。
ギャングたちは10万ドルの首飾りを盗んだ罪で捕まるが、
その首飾りは ピンクが化けていたもの だった。
つまり何も盗まれていなかったため、全員無罪となる。
王女は家に戻り、
マイルスは王女の 家庭教師 となることに。
ある日、セピアが力を使い、突然ピンクに台風をぶつけてくる。
ピンクは島の一軒家に避難する。
そこでは サユリ という少女と、おば夫婦が暮らしていた。
島には「宝が出る」という噂があり、
サユリの両親は宝探しに出たまま帰ってこない。
おば夫婦も宝目当てで島に来ていた。
島は貧しく学校もない。
ピンクは先生に化けて子どもたちと仲良くなる。
サユリはピンクのために一人で宝探しに行ってしまい、
おば夫婦は後ろからついていく。
その頃、本物の先生が島に到着し、
ピンクは偽の先生として警察に捕まるが、すぐに誤解は解ける。
ピンクと本物の先生はサユリを探しに洞窟へ。
そこで、おば夫婦がサユリの両親を隠れ家に閉じ込めていたことが判明する。
宝も見つかり、両親も救出され、
おば夫婦は逮捕される。
人の不幸で喜びを感じていたセピアは、
ピンクの優しさを見届けるうちに心を動かされる。
そしてついに
「夕焼け雲の仲間に入れてほしい」
と願い出る。
ピンクの優しさは、雨雲のセピアの心まで晴らしたのだった。
収録されてる出版物
登場キャラクター
【資料】
・手塚治虫文庫全集 あらしの妖精 講談社