
ロボット時代の寄席で語られる“美人ロボットの怪談”が、ロボット客には一切通じないというSF風刺コメディ。
発表
発表日:1966年5月11日
出版:漫画サンデー 実業之日本社
あらすじ
二十一世紀。ロボットが増え、人間と共存する時代になっていた。
それでも寄席は繁盛しており、客席は満員だった。
ある噺家がいくつかの話を披露するが、客の反応はいまひとつ。
そこで彼は、品川の埋め立て地に捨てられていた“廃物ロボット”の話を始める。
男はそのロボットの“ホトケ”を成仏させようと、原子力エネルギーを注ぎ込んだ。
するとロボットは元の身体を取り戻し、美しい女性の姿で男のもとへ現れた。
彼女は寝る間もなく家事を完璧にこなし、理想的な存在だった。
しかし男は「なぜこんな優秀なロボットが捨てられていたのか」と疑問を抱く。
やがて理由が判明する。
ロボットは 二重人格 で、隔日で人格が入れ替わり、酷使されていたのだ。
さらに、ある国の秘密諜報部はこの美人ロボットを潜入させ、男たちを尻に敷き、やつれさせ、骨抜きにする工作まで行っていた。
男はロボットと心中するふりをして、品川の埋め立て地へ沈める。
しかし、ルンペン姿の別のロボットがその美人ロボットを拾ってきてしまう──
という、なんとも不気味な噺だった。
だが寄席の客は誰ひとり笑わない。
理由は簡単だった。
客席の客も全員ロボットで、一定の基準を満たさない話には笑えないように作られていたからだ。
収録されてる出版物
【資料】
・手塚治虫文庫全集 フースケ 講談社