母の眼ばなし


引用:手塚治虫文庫全集 あらしの妖精 講談社[母の眼ばなし]

白い大蛇の母が娘のために目玉を差し出し、最後は二つの星となって空に輝く──北国に伝わる悲しくも美しい母子の民話。

発表

発表日:1957年3月
出版:少女 光文社

あらすじ

寒い北の国に古くから伝わるお話。
ある村に ミヨ という少女が、父と母と三人で暮らしていた。
ある日ミヨは、母が 白く大きなヘビの姿になっているところを目撃してしまう。

母は20年ほど前、権現さまに岩に挟まれていたところを助けられた。
その恩返しのために 人の姿を借りて暮らしていた のだという。
真実を知った父は恐れ、母を家から追い出してしまう。

それから父は働きすぎで倒れてしまう。
しかし貧しい家では薬を買うこともできない。
ミヨは父を助けるため、山へ母を探しに行く。

母はミヨに 美しい玉 を渡し、
「この玉を舐めれば病は治る」
と教える。
しかし帰り道、ミヨは庄屋に玉を奪われてしまう。
税の代わりだと言われ、取り返すこともできなかった。

再び母に助けを求めると、母は
「その玉は私の目玉。もう片方の最後の一つを渡せば、私は目が見えなくなる」
と告げる。
それでもミヨのために、母は 最後の玉 を差し出した。

庄屋は奪った玉を代官に届けるが、代官は
「こんな美しい玉なら、もう一つあるはずだ」
と言い、庄屋にミヨの家を探させる。
そして庄屋は 最後の玉まで奪ってしまう。

その夜、村に恐ろしい吹雪が吹き荒れた。
庄屋の家も代官の家も吹き飛ばされ、跡形もなくなった。
ミヨには、その吹雪が 母の怒りそのもの に思えた。

吹雪が止み、空が晴れると──
天には 美しい二つの星 が並んで輝いていた。

収録されてる出版物

タイトル出版社発行年ページ数判型購入
手塚治虫漫画全集 とんから谷物語講談社1997年12月16日199ページB6楽天ブックスKoboAmazonKindle
手塚治虫文庫全集 あらしの妖精講談社2010年9月10日432ページ文庫楽天ブックスKoboAmazonKindle

【資料】
・手塚治虫文庫全集 あらしの妖精 講談社