
家そのものに愛されて人生が豊かになるが、最後に家が燃えて終わる“家×人間の不気味な共生寓話”。
発表
発表日:1970年1月
出版:漫画サンデー 実業之日本社
あらすじ
汚れた部屋で暮らしていた下村フースケは、「もっとセンスのいい家に住みたい」と引っ越し先を探していた。
そんなとき、敷金ナシで家賃も驚くほど安い物件を見つける。
半信半疑で見学に行くと、一晩泊まってみることになった。
その家は広くて豪華で、どこもかしこも美しく整えられていた。
しかし、トイレに入った瞬間、フースケは説明できない不思議な気持ちに襲われる。
違和感とも、羞恥ともつかない妙な感覚だった。
翌朝、大家から話を聞いてフースケは驚く。
どうやらこの家はフースケを“気に入った”らしいのだ。
この家は、昨年亡くなった主人夫婦にとっては娘のような存在で、家そのものに「方位」という性質があり、トイレは“恥部”にあたる場所なのだという。
結局フースケは、その家に住むことを受け入れるしかなかった。
家はまるで妻のようにフースケを世話し、彼の生活はどんどん豊かになっていく。
やがてフースケはまとまった金を手にし、広大な土地を購入するまでになった。
それから30年後──
フースケは手に入れた土地に新しい家を建て、引っ越すことにした。
しかし引っ越しを終えたその夜、長年フースケを支えてきた“あの家”は火事で全焼してしまう。
収録されてる出版物
登場キャラクター
【資料】
・手塚治虫文庫全集 フースケ 講談社