
大人向けの読み切り形式で、社会風刺とユーモアが融合した連作ミステリー漫画です。
「週間探偵登場」は「週間漫画TIMES」の別冊に一年半にわたって連載し、これははっきりおとな向けにアイディアをねりました。ページが毎回少ないので、そうとう煮つまった話になりました。二回目に〝月の裏側〟がテーマとしてかかれ、また当時の〝岩戸景気〟をもじった「天の岩戸」がつかわれるなど、昔のニュースがつぎつぎに出てきます。時代は過ぎ去るものです。
(手塚治虫漫画全集「ひょうたん駒子」より)
発表
発表日:1959年12月 – 1961年2月16日
出版:別冊週間漫画TIMES 芳文社
作品概要
物語は毎回異なる事件を描く1話完結型の構成で、主人公の五利警部(通称:ゴリさん)が捜査にあたる。ミステリーとしての構造はシンプルながらも、社会風刺やユーモアが随所に盛り込まれており、読み応えのある展開が魅力となっている。
殺人、詐欺、失踪、スパイ事件など、扱われるジャンルは多彩で、物語は洒落たムードと軽妙なテンポで進行する。登場人物たちは一見平凡な市民でありながら、裏には複雑な人間関係や欲望を抱えており、事件の真相にはしばしば意外な動機やどんでん返しが潜んでいる。
エピソード
| 話数 | タイトル | 発表日 |
|---|---|---|
| 第一話 | 高級車 | 1959年12月 |
| 第二話 | 裏側 | 1960年1月 |
| 第三話 | 殺る | 1960年2月 |
| 第四話 | 天の岩戸 | 1960年3月 |
| 第五話 | 穴 | 1960年4月 |
| 第六話 | 幽霊作家 | 1960年5月 |
| 第七話 | ごめんください | 1960年6月 |
| 第八話 | 月払い復讐 | 1960年8月 |
| 第九話 | マネキンに手を出すな | 1960年9月 |
| 第十話 | 白い顔と黄色いタレント | 1960年11月3日 |
| 第十一話 | ひかれた男 | 1960年11月17日 |
| 第十二話 | ふやける | 1960年12月15日 |
| 第十三話 | 原稿安全 | 1961年1月19日 |
| 第十四話 | 坪千金 | 1961年2月2日 |
| 第十五話 | ジャリトラもたまに役にたつ | 1961年2月16日 |