あらしの妖精


引用:手塚治虫文庫全集 あらしの妖精 講談社

顔を交換された二人の少女の運命が、偽りと陰謀に揺れる城を救い、真実の美しさと優しさが奇跡を呼ぶ、幻想と人間ドラマの物語。

発表

発表日:1955年9月 – 1957年3月
出版:少女ブック 集英社

あらすじ

鍬形城とひよどり城は、些細な領地争いから戦を始め、力の弱い鍬形城は落城寸前に追い込まれていた。
逃げる途中、鍬形城の奥方は森で「夫がどうか無事でありますように」と祈る。
すると森の精が現れ、願いを叶える代わりに 奥方が産む子と、森の精が産む子の顔を交換してほしい と告げる。
奥方は苦渋の末、その約束を受け入れた。
その直後、戦は嘘のように終わり、平和が戻る。

一年後──二人の子の誕生
奥方が産んだ子は、顔が醜く、お面をつけて育てられることになった。
名は ルリ姫。
一方、森の精が産んだ子は、花のように美しい少女。
名は はこべ。
二人の運命は、この交換の約束によって大きく分かれていく。

ルリ姫が顔を隠して生きていることを知った家臣・田亀は悪巧みを思いつく。
自分の娘 あけび に面をつけさせ、「これが本物の姫だ」と偽って城を乗っ取ろうとしたのだ。
ルリ姫は城を追い出され、あけびの支配する城は無法地帯と化す。
ルリ姫が可愛がっていた文鳥は城を抜け出し、森のはこべのもとへ飛び、助けを求めた。
はこべは城を救うため、田亀親子を懲らしめようと城へ向かう。

追放されたルリ姫は、町で出会った青年 藤之介 に助けられ、共に城を目指すことになる。
道中、かつて面を作ってくれた職人と再会し、ルリ姫は自分の身の上を語り、新しい面を作ってもらう。
藤之介はその腕を買われ、城の辻斬り退治として雇われることに。

はこべは田亀親子のもとへたどり着くが、自分の力では太刀打ちできないことを悟る。
さらに母から、ルリ姫の醜い顔は「交換の約束による呪い」であると聞かされ、深く思い悩む。

ルリ姫と藤之介が城に戻り、ルリ姫は「自分こそ本当の姫である」と名乗り出る。
田亀は焦り、「本物なら面を外して顔を見せろ」と迫る。
顔を見せられないルリ姫は困り果てる。

はこべはルリ姫を救うため、
「ルリ姫の顔を元に戻し、私の顔を本来の姿に変えてほしい」
と神に祈りを捧げる。

ルリ姫が面を外すと──
そこには 天女のように美しい本来の姿 が現れた。
家臣たちは全員、彼女こそ真の姫君だと認め、城に平和が戻る。

一方、はこべは醜い顔となり泉で泣いていた。
そこへ神が現れ、「親切で優しいご褒美に」と告げ、
はこべの顔を元の美しい姿へ戻してくれた。

収録されてる出版物

タイトル出版社発行年ページ数判型購入
手塚治虫漫画全集 あらしの妖精講談社1993年3月17日221ページB6楽天ブックスKoboAmazonKindle
手塚治虫文庫全集 あらしの妖精講談社2010年9月10日432ページ文庫楽天ブックスKoboAmazonKindle

登場キャラクター

備考

  • ご寄進芳名(神社への寄付者)として「馬場のぼる」「うしおぞ(そ)うじ」の名前あり

【資料】
・手塚治虫文庫全集 あらしの妖精 講談社