
歴史や任侠の世界に迷い込み、無知と欲で騒動を引き起こすフースケの“時代劇ブラックコメディ”。
発表
発表日:1970年5月20日 – 1970年6月20日
出版:漫画サンデー 実業之日本社
あらすじ
■荒神山のフースケ
ノラ仕事をしていた下村フースケは、「有名になりたい」「かっこいい殺しをしてみたい」と、ヤクザの世界に憧れを抱くようになっていた。
そんなフースケは、派手で勇ましい殺しをすることで知られるヤクザ・吉良の仁吉に弟子入りを志願する。
すると仁吉は冷たく言い放つ。
「なりてえなら、人間のひとりぐれぇ殺してみろ」
その言葉を真に受けたフースケは、なんと仁吉本人を竹槍で刺し殺してしまう。
フースケは仁吉の服装と刀を奪い、彼が雇われていた仕事先へ向かう。
仁吉は“麻理花(マリハナ)”という薬を運ぶために雇われていたのだ。
しかし偽物であるフースケはすぐに捕らえられ、拷問を受けることになる。
そこへ役人がやってきて仁吉の検屍を行ったところ、麻理花の埋めてある場所が、仁吉の身体に刺青として彫り込まれていたことが判明する。
その場所は荒神山だった。
一行は荒神山へ向かうことになり、フースケも百姓として鼻が利くことから同行させられる。
フースケが見つけたのは、花を干しただけのもの。
麻理花の価値など、彼にはまったく分からなかった。
そこへ役人たちが現れ、見つけた麻理花をすべて奪おうとする。
しかし役人の乗っていた馬が、干した花を全部食べてしまう。
その光景を見たフースケは、あまりのバカバカしさに嫌気がさし、荒神山を後にした。
■新選組のフースケ
有名な名士になりたい──そんな思いを胸に、下村フースケは京都へやってきた。
しかし到着早々、新選組に襲われ、倒れている男と出会う。
男は坂本龍馬宛ての手紙を持っており、フースケに届けてほしいと託す。
だがフースケは「新選組のほうが有名になれそうだ」と考え、手紙を龍馬ではなく新選組へ持ち込んでしまう。
中身はただの“飲み屋のツケ”だったが、フースケは吉良の仁吉を殺した男として腕を買われ、入隊を認められる。
新選組では厳しい規律が敷かれており、八百長は切腹という恐ろしい掟があった。
前回の戦で八百長をした隊員たちには、次々と切腹が命じられる。
切腹が決まった隊員の妻たちは、夫を救ってほしいとフースケに泣きつく。
フースケは蝋で作った蝋人形の首を代わりに切り落とすことで、処刑を偽装する方法を思いつく。
その噂は広まり、「身体の関係を条件に夫を助けてほしい」という妻たちが次々とフースケのもとへ押しかけるようになる。
フースケは助けた隊員たちを自分の田舎に匿い、秘密の避難所のような状態になっていった。
やがて局長・近藤勇までもがフースケを訪れ、自分の首を作ってほしいと頼みに来る。
その一年後、近藤勇は板橋刑場で斬首されたということになった。
村へ戻ったフースケが目にしたのは、近藤勇や助けた隊員たちが集まり、大きな農場を開いて働いている姿だった。
そこには多くの子どもたちが生まれていたが──
みんな、どこかフースケにそっくりな顔をしていた。
収録されてる出版物
登場キャラクター
備考
- 鈴木義司のキザっペが登場する
【資料】
・手塚治虫文庫全集 フースケ 講談社